サーペンディス 天秤に架けられた少女



 ――――親愛なるイーグレット・エラーリス様

 突然の御手紙申し訳御座いません。

 今私は休暇を取り、人間界に居ます。人間界と申しましても、今の世界よりも未来ですが―――。

 しかし突然の魔女狩りにより、今の魔法界に戻り、魔法界中を旅して回っております。


 ところで私達の間に1人娘が生まれているのををご存知のはずです。今年で14歳になります。

 彼女は人間界で普通の人間の様に育ち、魔法界の事も、魔法の事も彼女の前で話した事も、行った事もありません。

 ところが彼女は稀に生まれる<エターナル>でもあり、魔法を教えなかった事もあるせいか、彼女の魔力に闇<ブリノス>の影が現れ始めました。

 彼女を影から守りたいために私は天上界へ行き、<サーペンディス>としました。

 後から魔法関係の事を話すのはあの子の重荷になります。自然に魔法界の事を学んでほしいと願い、あなたの所へ送ります。

 この手紙の届いた次の日の朝、あなたのいとこが私の娘を連れてきます。あなたになら信頼して置けるので、魔法の手ほどきを教えてあげてください。

 尚、必ず魔法女学園の入学させてください。そして、大魔女にさせて下さい。

 大魔女になれば、私に会えると、言って下さい。

 彼女の事は、『セシル』と呼んでください。記憶を思い出してほしくないのです。


 また、手紙を出します。


 ――――エリス



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