サーペンディス 天秤に架けられた少女
夜行列車



 雨はまだ降っていて、窓ガラスを叩いている。
 正面の椅子には寝息を立てているセシル。

「―――――んん―――」
 夢でも見ているのか体を動かした。その拍子でマントが落ちる。拾ってセシルに掛け直した。 セシルの顔が笑顔になる。
 ちょっと恥ずかしい。


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