秘密の約束。
「苺香!」

上から声が聞こえたので見上げてみる。


バシャ!!!


窓から水がふってきて、びしょびしょに濡れた。
上からみっちゃんが笑ってあたしを見てる。

「今日は暑いから涼しいでしょ。」

むしろ寒いし。怒りがこみ上げてくる。なんでこんなことされなきゃいけないの?

あたし何か悪いことしたかな?

睦月があたしのあとを追いかけてきてくれていて

すぐそこに立ちすくんでいた。
あたしの無惨な姿に。

「てめぇ!!ほんとに殺すっ…」

そこらへんにある石をつかんで投げようとした。

「睦月っ!……暴力じゃなにも解決しないよ。」

珍しくあたしは真顔だった。恐ろしいほど冷静で。
頭を回転させる。この握っている拳をどうしたらいいのか。
殴りたい。だけどそれで解決…するの?



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