秘密の約束。
静まり返るグラウンド。苺香は…ほんの少しの間で強くなれるすごいやつ。
俺なんかと比べて…




「苺香」


北村が答えた。
次の言葉をなかなか言わない。
俺はごくりと生唾をのんで北村を見つめる。

苺香に目をやると何も言わずただじっと待っていた。
次に言葉をすると共に北村は涙を流していた。

「あたし…苺香のこと、好きだった。友達としてだけど。仲良くなりたかった。だけど…あたしは人とどう接すればいいのかわからない。
なのにいきなり遠藤と仲良くなるから…。」

俺のせいかよ?
それより北村は嘘がうまそうだからあまり信用しない方が…

なんて口がさけても苺香には言えない。


「だからいじめたら戻ってくると思ったの。
苺香、ごめんなさい。
本当は大好きだよ。」

だって苺香は北村のことを信じこんでいる。
いじめられたのに…
苺香は詐欺師にあうような性格をしている。

「あたしも……。また友達になれるかな?」

北村は頷いた。けど俺の角度からは泣きながら笑っている北村が見えた。
顔を手で覆うフリして…

絶対お前なんかに苺香をやらねぇから。

「だめ。

苺香は俺のだし。お前にあげねぇよ」

苺香は目をまん丸にしている。ちょっとおばあちゃんの家に行くの早いけど、このまま学校にいても苺香が北村に洗脳されそうだし…

連れていくっきゃない。

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