秘密の約束。
「それってどういう意味?」

「あ、ありがとう。

ん?なにが」

メイドから紅茶を受け取る。俺も目の前に紅茶を置かれた。


「なにがじゃなくて。なんで幼なじみに見えないんだよ?」

おばあちゃんは紅茶を一口すすると、机の上に置いて笑った。

「いや、別に。年のせいか、話をすぐ忘れるようになったわ」

かっかっかと笑うおばあちゃん。あと50年は普通に生きるな…。

「もういいよ。で、頼みごとなんだけど」

おばあちゃんはぴくっと反応して紅茶を口までもってきたのにカチャンと置いてしまった。

「うん。」

「お金を貸してほしい」

「はぁ!?いきなりなんだい!」

「それと…お父さんの居場所、調べるために探偵を動かして欲しい。」

おばあちゃんは少しの間
顔をしかめて



笑った。

「さすが社長になる子だね。なにをしでかそうって言うんだい?」

おばあちゃんはお手上げと言うように両手を上げた。
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