秘密の約束。
「そうだよ。それが俺の小さい頃からの夢だったから。別に飛行士になりたいとか先生になりたいとか言う夢じゃない。それが終わったら継いで仕事をするよ。」


喉がカラカラなので俺も紅茶をすすった。紅茶にうつる自分は自分じゃない気がした。


「継ぐんだね?」


おばあちゃんは最終確認のように聞いた。


「継ぐよ。俺の夢叶えてくれたらね」


少し黙って悩んだ。おばあちゃんは紅茶を飲み干し、受け皿に置いた。
おばあちゃんも喉がかわいていたんだと思う。


「わかったよ。あたしも協力しよう」


よし、これでまた一歩計画に近づいた。


「それで、苺香ちゃんはどうする?」


苺香?なんで?


「まず、部屋を分けただろう?そのことを知らないのか?」

知らない訳じゃない。知っているし、手伝おうとしてくれている。
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