おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
それから数日たった。
この日は潤くんと仕事で、終わってからデートの約束をしていた。
仕事中に潤くんが


「ちょっとあこが嫌がるかもしれない話がある…」


と言った。
仕事後のデートで話すと…
突如、浮かんできたのは女友達の三文字。
テンションはみるみる下がっていたけど、表には出さずにやりすごした。


先にわたしの仕事が終わって、潤くんが終わるまで車の中で待っていることにした。


「お店で待っていていいよ!」


と潤くんは言ったけど、佐藤くんがいるからなんか複雑で…
車に乗って暖気して、女友達と出かけるとかかな?同窓会があるとかかな?なんて想像が膨らんでテンションは下がるばかり。
今日も変わらずポケットに入っていた佐藤くんからのチョコレートを口に入れた。甘さがわたしを幸せにしていく…この感覚に何度も助けてもらったんだ。








「おつかれー!」と暖かな声で潤くんは車に乗り込んできた。
わたしは気分を察知されないように、明るく振舞ってみる。


「先に飯食いに行く?話が先のがいい?オレは話は後のが……」


「先に話して!」


モヤモヤしたままご飯なんて食べてられない。珍しく意見を主張していた。


「なら先に話すけど、まだ決まったわけじゃないから嫌だったら正直に言ってね。」


こういう優しさからくる前置きみたいなもの、わたしも使う事あるけど使われるのは苦手。
コクリと頷いて構えていた。


「仕事辞めるかどうかはまだ決めてないけど、有給がめっちゃたまってるからさ…東京の友達のとこに旅行?みたいなのに行こうかな・・って。一週間くらいなんだけど…」


「えっ?!いいよいいよ
全然いいよ嫌な話ってそれ?全然嫌じゃないよぉー!!」


理由は違うけど2人して拍子抜けしたと思う。


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