おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
わたしはバックヤードまで大またで歩いた。
なぜかセカセカした気分になっていたからだ。

″チャラいし変なやつだから″

エプロンを着けると同時に水島くんの言葉がはっきりとフラッシュバックした。


チャラい、変なやつ。
教えてもらった2つの事が当てはまりすぎている感じがして心の中で笑ってしまった。
スリムなところ以外、水島くんと正反対だ。
顔立ちはなんていうか…
野性的な顔立ちで、長く伸ばしている髪の毛を後ろの低い位置でお団子にしている。
細すぎる足にぴたりと黒い革のスキニーパンツ。

そして話し方からなにからなんだかチャラそうな香りしかしない。
それは水島くんからの言葉のせいなのか…
聞いてなくてもそう思った気がする。





受付カウンターに戻り、今日の来客状態をPCで確認する。
土曜日だというのに暇なお店…
キッチンからは佐藤くんが食器を洗う音が聞こえてくる。


水の音が止まってすぐ、
「あれ?ない!忘れた!?」
なんて、独り言にしては大きな声が耳に入ってきた。
キッチンへ目を向けると佐藤くんは自分のバッグを漁ってなにやら探している。

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