おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
「へぇー!まだ全然なんだ…ヒトメボレしたのはいつぐらいなの?」

「えっ…と…1週間くらい前です…」

「まだ全然じゃんー!めっちゃ最近じゃん!」

そういって佐藤くんは、視線を少しそらした。
そしてほんの一瞬の間がふたりに流れる。

「んん!?!?」

佐藤くんは何かを思い出したかの様に強めの声を出した。

「1週間くらいってことはここ入った時くらいって事じゃん」

「そうですね…あはは…」

笑って流そうにも相手は佐藤くん。

「えっ!まさかこの店の人?」

「あー!それ以上聞かないで下さい。」

そういって壁にへばりついてみた。
流れに任せていたのはわたし。
なんとなく自分の中でバレてもいいと思っていたのだと思う。

「まじ?!」

そう言って佐藤くんはどんどん興奮し始めた。
聞かないでを連呼するわたしなんてお構い無しに、佐藤くんのペースは乱れない。


「やまうらさん?」


なぜそっちが先にくるのか謎すぎて笑ってしまった。
相変わらずわたしは聞かないでを繰り返す。
すると佐藤くんは目を大きく開けてなぜか小声になった。

「えっ?!じゅん!?潤なの!?」
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