おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
「ただ律儀なだけだと思うよ。」

わたしは自分へ言い聞かせるようにやまやまに言った。

「いやーどうかな、まぁ水島くん律儀ではあるけどな…
ひとつ言えるのは、ふたりきりになるのが嫌ではないって事だよな。脈アリに近いんじゃねぇの!」



期待してしまうような言葉を並べるやまやまは、

「やだやだ、職場でイチャイチャし始めるのかよぉ!笑」

と、笑いながらブースの掃除へ向かった。
そしてキッチンへ戻ってきてすぐ、

「水島くんのイメージがどんどん変わるわぁ」

と、カレンダーを見て来月の5日を指差しながら言った。

「オレ、いちごの日が誕生日だから」

その風貌でイチゴって…おもわず笑ってしまった。

″はいはい″と流し、わたしもカレンダーを見つめる。


「水島くんとデートいつになるか考えてるの?」


「うん…なんか、緊張してきた」


そんなわたしにやまやまは笑う。
もちろんやまやまは、翌日もドライブデートいつになるんだろうね。なんて茶化してきた。
わたしはもうそのことで頭がいっぱいで、得意のシミュレーションもなかなか進まないほど。
そのくらい、水島くんへの想いが膨れ上がっているということ。


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