溺愛銃弾 ~フルメタル・ジャケット~
言われてる当人がこのまま出て行けない。そっと踵を返そうとした刹那、後ろから両腕が巻き付いて動けなくなる。

「勝手なこと言われたら怒っていいんだよ樹」

寝てたはずの陶史郎さんがいつの間に。目を見開いた鹿島さんと、表情が全く変わらない玉置さんと鉢合わせしていた。・・・意図的に。

「若。あの、いえ・・・!」

弁解を口にしようとした鹿島さんが、眼差しを歪めて口ごもる。

背中にくっついた陶史郎さんの表情は見えないし、離れた手が今度は両耳を塞いだから、どうしていいか戸惑うだけ。

「俺の女に余計なこと吹き込むんじゃないよ。お前でも沈めるよ?鹿島」

音がくぐもってるけど。確かに彼はそう言った。

「玉置、お前は誰の補佐だっけ?」

「・・・若です」
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