アッファシナンテ

~春川side~


ーガチャ

鍵のかかった部屋の扉を開けた
お嬢様は私に抱き着いた。

花恋「私、泣けなかったの。
本当はすごく傷付いたのに
涙なんて出てこなかった。
でも、今は自然と涙が
溢れ出してくる。あなたのおかげね。
今、春川がいてくれるからこそ
私は泣けるの。だから、ありがとう。」

お嬢様のその笑顔が眩しくて
私はどうする事も出来なかった。

花恋「春川は知っているの?
私が何に傷付いているのか。」

春川「いえ、ですが...
お嬢様が涙を流されるのなら
何時間でも私の胸をお貸しします。」

花恋「ダメよ、それじゃ春川が
疲れてしまうわ。」
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