アッファシナンテ

~春川side~


お嬢様は元気かな?なんて
必要のない心配を毎日していた。

崎本様と一緒ならお嬢様は
平気だと分かってはいるけど
いつもずっと
お嬢様の事が気になっていた。

お嬢様がいなくなった今
私はこの家では不要な存在だ。

旦那様に全ての事を報告し
私は退職を願い出た。
しかし、旦那様は盛大に笑いながら
私をこの屋敷に残してくれた。

花恋が帰って来た時
迎え入れる事が出来る人は
春川しかいないと。
そんな有難い言葉まで頂いた。

きっとずっと待っていても
お嬢様は戻られない。
なんとなく、そんな気がした。
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