花瓶─狂気の恋─

晶子は明るい性格の持ち主で、仲間外れは作らない人物。いじめを心から嫌い、皆が楽しくなる事を望んでいる。まるで絵に書いたような人物だ。
その性格か友人は多く、中学時代には何回か告白されたらしい。

そんな晶子からの質問に真帆は無表情で目線を窓の外へと戻した。


「あ〜!酷い!無視したな〜。ねぇ、こっちで話そうよ。いい人ばっかだよ?」


「晶子、知ってるでしょ?私人付き合い苦手なの。それに、こんなの中学からそうだったじゃん。」


「苦手も挑戦すれば克服できるよ!中学の時の自分は忘れてここから再スタート!ってことでいいじゃん!」


「いや....だから」


「まぁ取り敢えずやってみようよ。私も側にいるからさ!真帆、昨日の入学式の時もそんな感じだったじゃん。そんなんじゃ三年無駄にしちゃうよ?」


そう言って晶子は真帆の手を握り、半場強引にさっきまでいた女子グループまで連れてきた。
目の前には三人の女子生徒。さっきまで楽しげに話していたが、晶子を見て更に笑顔になった。


「あ!晶子ちゃん。この子は確か....神崎さん...だったよね?」


「うん!私と同じ中学校なんだ〜。この子も混ぜて貰ってもいい?」


「う、うん。いいよ。よ、よろしくね神崎さん。」
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