運転手はボクだ
「千歳、風呂に入ろう」

「え?しゃちょうと?」

は、い?…大丈夫なのかしら?

「そうだ」

「社長、疲れてしまいますよ?…」

「千歳がいいならいいだろ?」

「それは…いいと言えばいいですけど」

「どうだ?千歳。体は恵未ちゃんが洗ってくれるから」

え?私が?…勝手に決めて……流れ弾が…。

「えみちゃんもいっしょにはいるの?」

あ、ちょっと?三人の組み合わせがおかしくないですか?
いやいや、鮫島さんでも無理ですけど。千歳君と二人ならいいのよ、何も、問題ないから。

「あの、ね…」

「私が湯船に浸かっている時に洗えば問題ないだろ」

問題あるって、解ってて言ってるのが問題あるでしょ。

「な、千歳。千歳が、えみちゃんって、呼んだら、洗ってもらおう」

「うん!じゃあ、えみちゃ~んて、おおきいこえでぼくがよぶ」

どうやら決まりのようですね。ふぅ。どさくさ紛れのハプニングなんて、企んでないでしょうね、社長…。

「よ~し、じゃあ行くか」

「うん」


あー、もう…。はっきり返事もしてないのに…。二人して浴室に行ったようだ。

「何ですかね。急に…」

「んー?さあ。社長の考えてる事は。あ、千歳の着替え、取ってくるよ。恵未ちゃんごめんね、世話させて。千歳は、ああ言われたら、ただ嬉しくて、だからごめん」

「あ、全然いいんです、千歳君はいいんです。本当、社長の考えてる事は…。千歳君が可愛いから、子供みたいに思って、したいのかもですね」

それは何となく解る。私だって、可愛くて堪らないもの。だけど、社長、実際、子供が居たって経験がある訳でもないから。
何か、目覚めたのかな。…父性?

「あの、鮫島さん…」

「ん?」

「朝の事…、状況は変ですけど、何も無いですから」

「ん?あぁ、社長の寝室から出てきた事?」

「はい」

それです。

「特に何も思ってないよ?大方、我が儘につき合わされた結果でしょ」

そうなんです!はぁ、良かった。誤解はされてなかったみたい。

「はい、何もありませんから」

「ん、あ、着替え取ってくる。社長も要るんじゃ」

「あ。そうですね」

「二人共、世話がやけるな」

「フフ。はい」
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