four seasons〜僕らの日々〜
美桜たちと別れた後、蓮は祭りを楽しむことはできなかった。
美桜たちがいないか辺りを見渡し、椿とあまり話すことはできなかった。
しばらくすると花火の上がる時間が近づき、蓮と椿は屋台が祭り会場から少し離れた河川敷へと向かう。毎年ここで花火を見ている。
真っ暗な河川敷には蓮と椿以外誰もいない。
「特等席だね〜」
椿が笑うが、蓮は何も言えない。
この重い空気に耐えられなくなったのか、椿が「飲み物買ってくる」と言って走っていった。暗闇の中に蓮は一人残される。
美桜と一緒に行っていたらどんな顔でここにいるのだろうか。蓮はふと考える。
美桜といると心が弾む。緊張してしまうけど楽しい。
今まで浮かばなかった歌が、形になっていった。