four seasons〜僕らの日々〜
衣装を着た蓮は、椿たちを見つめながらはにかむ。

普段着ることのないスーツに、蓮は「おかしくない?」と椿に訊ねる。

椿は思わず見とれてしまった。また鼓動が高鳴っていく。

「……椿ちゃん?」

蓮が心配そうに椿の顔を覗き込む。

「わっ!!だっ、大丈夫!似合ってるよ!かっこいい!!」

椿は顔を赤くしながら早口で言った。蓮の顔を近くで見て、ドキドキが止まらない。

真っ白な肌、優しげな瞳、見ているだけで幸せになれる。

「椿ちゃんも、ドレス似合ってるよ」

蓮が微笑む。周りは「ヒュ〜ヒュ〜」とからかったり、羨ましげに見つめてくるが、椿は嬉しさを感じなかった。逆に虚しさだけが残っていく。

蓮は、「こんにちは」と挨拶をするような気分で椿に「似合ってる」と言った。それは椿自身がよくわかる。

美桜の時のように、顔は全然赤くない。恥ずかしそうでもない。私のことを蓮はーーー。

「始まるよ!舞台に上がって」

先輩が言う。

「行こう」

蓮が微笑む。椿は黙って頷いた。
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