four seasons〜僕らの日々〜
翔はブレザーのポケットから二枚のチケットを取り出し、それを美桜に渡した。

「えっ?これって……」

それは隣街にある有名な遊園地の割引券だった。

「知り合いからもらったんだが、俺は行く機会はない。……蓮と行ってこい」

翔は優しく微笑みながら言う。美桜の胸の中に、嬉しさが広がった。

こんな自分の恋を応援してくれる人がいる、そのことが嬉しくてたまらない。

「蓮ならきっと喜んで行くと思う。無駄にするなよ?」

「うん!ありがとう、翔くん」

緊張はどこかに消えていた。自然と笑顔があふれる。

「……がんばれよ」

美桜の頭をポンと撫で、翔は去っていった。

「本当にありがとう!」

美桜が翔の後ろ姿に言うと、翔は振り向き、優しく微笑んだ。



同じ頃、蓮は空と話していた。窓の近くのため、太陽の光が体にあたり、暖かい。

「蓮、相談したいことがあるんだ」

冗談を言って笑いながら話していた空が、急に真面目な表情で蓮を見つめる。
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