four seasons〜僕らの日々〜
美桜は、緊張でドキドキする胸を必死に抑えた。今日こそは言わなければいけない、そんな思いが緊張を募らせていく。
翔から遊園地のチケットをもらって、三日が過ぎようとしている。なかなか蓮に言うことができない。蓮は、休み時間になるとたくさんの女子から、春休みに一緒に遊ぼうと誘われている。それを見るたびに胸が痛んで教室から逃げ出してしまう。
このままでは春休みになってしまう。今日こそは言わないと!
そう自分に言い聞かせながら、勇気をもって音楽室のドアを開けた。普段は幸せな気持ちでこのドアを開けるが、デートに誘うと思うと、まるで百万人の前で歌うかのように緊張が走った。
「失礼しま〜す」
小さな声でそう言いながら入ると、蓮はピアノを弾いているわけでも、作詞作曲をしているわけでもなかった。
「……蓮くん?」
蓮は音楽室の椅子に座り、机に突っ伏して眠っていた。初めて見る寝顔に、美桜の体が熱くなる。
男の子にしては長いまつ毛、柔らかそうな唇をじっと美桜は見つめた。眠っていても整った顔に鼓動が早くなる。