four seasons〜僕らの日々〜
「そんなお礼言われることじゃないよ?」

美桜はそう言ったが、蓮は優しく微笑んだままだ。

「ねえ、美桜ちゃん」

蓮は顔を赤くしながら言った。

「春休み、二人きりでどこか行かない?」

蓮の口から出た言葉に、美桜は驚く。しかし、同時に嬉しかった。蓮の方から誘ってもらえるなんて、夢のようだ。

「嬉しい!でも、蓮くんいろんな子から誘われてるんじゃ……」

美桜が少し暗い声で言うと、蓮は慌てて首を横に振った。

「たしかに誘われたけど、断ったよ!だって僕は……その……」

蓮は顔を赤くして、顔を美桜から背けた。音楽室は静寂に包まれる。でも、重く苦しい静寂ではなかった。甘酸っぱくて、暖かい静寂だった。

「あのね、蓮くん」

美桜はその甘い静寂をしばらく噛み締めたあと、口を開いた。

「私、遊園地のチケットをもらったの。よかったら一緒に行こう?」

「もちろん!!」

蓮は笑顔を見せた。その顔は赤く染まっていた。美桜の顔もきっと赤い。

胸の高鳴りは止まなかった。
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