four seasons〜僕らの日々〜
「えっ!?でも、まだ一時ですよ」

「今日はお客さんも少ないし、二時から松井くんや空が来るから大丈夫だよ。それに蓮は今まで真面目に働いてくれてるからね。そのご褒美って感じかな」

「は、はあ……」

たしかに、今日は珍しくお客が少ない。蓮は制服を着替え、まだ働いている人たちに「お疲れさまです。失礼します」と言ってカフェを出た。

休日の昼間の空を見るのは久しぶりで、蓮は青空をしばらく見つめた。

熱が体を包みすぐに汗ばんでくる。お客が少ないのはこの暑さのせいだろう。道を歩く人も少ない気がする。

とりあえず家に帰ろうかな、と蓮が思った時「蓮!バイトじゃないの?」と椿が蓮の肩に手を置いた。

「あっ……えっと、お客さんが少ないからもう帰っていいって言われたんだ」

「ふ〜ん…。今から家に帰るの?」

「うん」

「じゃあ一緒に帰ってもいい?」

椿と蓮の家はそんなに離れてはいない。蓮は「いいよ」と頷いた。

「やった〜!」

椿は無邪気に笑った。
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