カボチャの馬車は、途中下車不可!?

美弥子の首が、力強く上下する。
「飛鳥はね、ワーカホリックすぎ! 元カレと別れてからもう4年も男っけなしで、仕事一筋でしょ」

う……。
まぁ……ハイ。その通り、デス。

「だからね、異性感知レーダーが弱体化してるんだと思う」

れ、れーだー……。

その表現には反論したいけど。
内容には……反論できないかも。

確かに。

最近、合コンとか婚活とかってワードを聞いても、元気でいいなあとか、微笑ましく思うだけで。
なんとなく、リアリティを感じられないっていうか。

連日のように飲み会に顔出してた時期もあったけど、最近はあんまりだしな。
レーダー……弱体化してるかも。

それを言うと、美弥子がグワッと目を開いた。
「ほら、でしょっ!? もう干物女子へ一直線よ、それ!」

「ひ、ひもの……ですか」

「飛鳥みたいないい女が枯れるなんて、絶対もったいない! とにかくね、部長でも誰でも、嘘でもいいから、とにかくトキメく相手を見つけること! まずはそこからよ!」


「う……ぅ」

トキメキ……かぁ。
私は結局何も言い返せず、チキンを口に放り込むことに専念した。
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