カボチャの馬車は、途中下車不可!?

表通りから1本入った場所にあるダイニング居酒屋。
上品な雰囲気の掘りごたつ式個室に通されて。

うちからは、私と日下課長、そして丸岡主任。
オオタフーズからは、本宮さんと彼の部下2人、勝田さんと原さんが参加して、親睦会という名の飲み会が始まっていた。

当たり前のように私の隣に座った本宮さんには、十分注意してるけれど。
今のところ特に手が伸びてくることもないし、大丈夫みたいだ。

女性は原さんと私だけ。
彼女は新人ということだけど、クライアントだもの、お酒を注いだり注文したりは私の役割。

さっきから飲んで立って、お酌して座ってしゃべって……。
忙しく動きながら、気づいたら結構な量を飲まされていた。

「真杉さんもゆっくりしなよ。女性がやらなきゃいけないってことはないんだからさ」
丸岡主任が気を使ってくれるけど。
私は「好きでやってるので」って、笑いながら首を振った。

特に今夜は……じっとしていたくない。
動いていないと。飲んでないと。
思い出しちゃう。

あの……お似合いだった2人のこと。
完成したパズルみたいに自然に見えた、あの2人のこと。


……ダメだな。

なんだか今日は、ペース配分がうまくいかない。
ブレーキが壊れちゃったみたいに。
いくらでも飲めてしまって、でも酔えなくて。
ただ胸苦しさだけが募っていく——
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