カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「じゃあ、御社のウェブ関係は、今カレントウェブに?」
得意分野のネタに目を輝かせた丸岡主任が、本宮さんの方へ身を乗り出した。
「そうなんだよ。またしても大河原さんの鶴の一声で決定したんだけどさぁ。あそこの社長と、前から知り合いらしくて」
カレントの社長って……
あぁ、ヴィラに載ってた例のイケメンか。
忘れようとしても忘れられない、あの印象的なアーモンドアイが脳裏に浮かんだ。
まだ若いのに。
オオタフーズみたいな老舗とも取引するなんて、相当やり手なんだな。
丸岡主任も感心したように、「やっぱりすごいな、あそこ。うちも早くコンタクトとらなくちゃ」ってうなってる。
「そうかぁ? どこがいいのかわからんけどね」
攻撃的な口調で言い切ったのは本宮さんだ。
「だいたいさぁ、みんな大河原に気ぃ使いすぎなんだよなぁ。ヒット商品の生みの親とは言え、一社員のくせにさ。社長まであいつの顔色伺いやがって」
お酒が入って口がなめらかになったのか、次第に口調が崩れていく。
「俺はいつも言ってるわけ、大河原にさ。もっと販路広げろって。もったいぶらずに、スーパーやコンビニ、海外とかさ、手広くやってきゃいいんだって。あいつがブランドイメージだのなんだの、ごちゃごちゃ言ってさぁ」
そして延々と、大河原さんについて愚痴をこぼし続ける。
こっちが聞きたいのは、そういうことじゃないんだけど……
話題を持っていこうとすれば、すぐ戻されて。
私は早々に、諦めた。
うん。この調子じゃ無理だ。
今夜は愚痴と自慢話以外、聞けそうにない。