カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「あー……えっと、でも憧れちゃいます、真杉さんみたいなキャリアウーマンって」
原さんが一生懸命フォローしてくれたけど、本宮さんは「チッチッ」ってかっこつけるみたいに指を振って遮った。
「女の子はね、仕事なんてそこそこでいーの。結婚だよ、結婚しとけばいーんだって。特に営業はさぁ、結局男の仕事だからさぁ」
ブチブチブチって。
何本か頭の血管が切れるような音がしたけど。
ひたすら耐えた。
日下課長が、真っ青な情けない顔で「我慢して!」って口パクしてたから。
ワカッテマス……据わった目で了解を送る。
「ご両親も心配するでしょー行き遅れの娘がいたらさあ」
行き遅れとかいつの時代だっ! 平安かっ!
「婚活してる? しなきゃだめだよー。いい男はどんどん結婚してっちゃうよー」
あぁもうっ! 自分の指輪、自慢そうに見せるんじゃないっ!
いい男のくくりに、勝手に自分を加えるなっ!
うー……耐えろ。あと少し、あと少し!
もう食事は終わってるし。
そろそろお開きになってもいいんじゃないかな。
我慢できなくなって、腕時計を確認しようとした時だった。
「真杉、お前の携帯震えてないか?」
カバンからはみ出したスマホを見て、丸岡主任が私をつついた。
「え、あ、ほんとだ……ちょっと失礼します」
少しでもこの場を離れられることにホッとして、私はそそくさと席を立った。