カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「イベント?」
「リリィという雑誌で、食に関連する企業様を集めて読者を招待するイベント企画がありまして。よろしければ参加されませんか?」
「リリィって、主婦向けの雑誌よね?」
「はい、20代後半から30代前半の主婦層がターゲットですね。直接社員の方とお客様が話せる機会って貴重だなって思いまして」
私が言うと、「そうねぇ」って柴田さんは軽く宙をにらんだ。
「あまりうちは他社さんと一緒っていうのはやらないんだけど……でも、直接お客さんと話せるっていうのはおもしろいかもしれないわね。じゃあ真杉さん、一度企画書見せてくれる?」
「はいっ! じゃ、週明けにさっそくお持ちします」
よしって、テーブルの下でガッツポーズして勢い込んだ私を。
「あ、ごめんなさい」と、申し訳なさそうな声が制した。
「来週はねえ、私1週間お休みもらってるのよ。その次の週なら大丈夫なんだけど、それでもいい?」
「もちろんです、じゃあ再来週で」
GW終わったばかりで、また1週間の休み!
うちは絶対無理だろうな。
胸の内でぼやきながらスケジュール帳に書き込んで——
あれ……って浮かんだ疑問を口にしてみた。
「もしかして、ベトナムに行かれるんですか?」
「そうなのよぉ。また真っ黒になってくるわ」
あははって軽やかな笑い声が返ってきた。
そっか、また行くのか。
ひそかに私は舌を巻いた。