カボチャの馬車は、途中下車不可!?


「『飛』ぶっていう字」



じ……、字?
イキナリの話題変換に、反応が遅れる。


「僕が生まれて初めて覚えた漢字なんだ。だから、社員証に書かれた飛鳥の名前を見た時にね、なんか日本語で言う……縁っていうの、感じちゃったんだよね」



「……へ」


あ……そう。


「運命だろ?」
ね、ってニコニコ表情を崩したライアンへ——たぶん、相当間の抜けた顔を見せてることだろう、今の私は。


だって。
漢字、って……いや、別にいいんだけど。

じゃあ私の名前が飛鳥じゃなくて、明日香とか亜須佳だったら、運命感じなかったってこと?

なんとなく肩透かし食らったような気がして、苦笑いしてしまう。
何を期待してたんだか。

まぁ……いいか。
なんとなく、彼らしいような気もするし。

ふふっと唇が綻んで。
肩からスッと力が抜けた。
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