カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「そういう考え方、私好きじゃない。自分が納得できないやり方で仕事をとったって、全然うれしくないもの」
言った途端、ライアンは瞠目し——口をつぐんだ。
そして。
「一人でやるつもり? できるかどうか、わからないのに?」
静かな口調で、でも試すように言うから、「やってみなくちゃわからないでしょ。とにかく、ひたすら全力でやってみる」と、ワザと強気に答えた。
彼は「マジメなんだな」って、あきれ顔だ。
そうかもしれない。
こういうとこ、自分でも頑固だなって思うし、損してるかもって思ったりもする。
でも……
「これが私だから。変えられないのよね」
苦笑しながら、せめて彼を下まで送ろうと立ち上がった。
「ごめんね、でも、来てくれてうれしかった。本当にありが——」
「わかった」
「え?」
「手は出さない。でも、側にいてもいいかな?」
「え……?」
意味がつかめなくて首をひねると、ライアンは椅子に掛けたまま、横へ移動。私から少し距離を取る。