カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「な、なに?」
「お願いします真杉さんっ、わたしのふりして、ライさんと会ってもらえませんか!?」
「……は?」
付き添いじゃなくて、ふ、ふり!?
つまり、私が、行くの? 私だけが、行くわけ!?
「わたし、ちゃんと顔が判別できるような写真は送ってないんです。だから、たぶんごまかせると思うから」
「ちょ、ちょっと待ってあのっ……」
予想外の展開に、頭の中はホワイトアウトだ。
「真杉さんなら、絶対わたしよりうまくあしらえると思うんです。年の功っていうか!」
と、年……の、功?
いや、それって、どうなの?
なんかさりげなく、傷えぐってくるなこの子。
「1回会えば、それで納得するっていうし。だから……どうかお願いしますっ!! それで、その場でフッてください!」
いや、あの、その……
もごもごってセリフを探していたけど。
でも……。
小さくなって震えてる青山さんを見たら、一言も口にできなかった。
私はふぅうって肩から力を抜いて。
ゆるゆる、のんびりとファンが回り続ける真っ白な天井を仰いだ。
あー……プレ金、終わった。