カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「楽しくなかった? 昨夜」
「そそ、そんなことないっ……」
「じゃ、どうしたの?」
頭にキスを落としながら優しく聞かれても、本当のことなんて言えるはずなくて。
「え……と」
ほんの少しためらった後、着ていたTシャツの襟元をぐいっと広げて見せた。
「あの、だからっ……これよこれっ」
「ワオ」と、その顔に引きつった笑いが浮かぶ。
「…………あ、あぁ……あはは、えーと……キスマーク?」
「そんなカワイイもんじゃないでしょっ」
ジト目を向けると、彼が「ごめん」って項垂れた。
「昨夜は……すごくうれしかったからさ、初めて飛鳥のこと抱けて。舞い上がっちゃって……。だからその……リミッター外れてたっていう自覚は、ある。ほんと、ごめん」
しおらしく首筋に鼻をこすりつけられて。
とくとくと胸が甘く高鳴る。
どどどうしよう……そんな風に言われたら。
なんか、顔がニヤけてしまうじゃない。
「痛い?」
心配そうに見下ろす彼に、慌てて首を振った。
「へ、平気。ちょっとびっくりしちゃっただけだから」
「そっか、よかった。……でも、違うよね?」
「……へ?」
顔を上げると、「ごまかされないよ」って、探るような瞳とぶつかった。
「さっき考えてたのは、“コレ”のことじゃないだろう?」
彼の指が、私のデコルテを彷徨う。