カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「ちょっとそこそこ〜!」
「ちゃんと飲んでるかぁ!?」

関西支社の椎名恵美(しいなえみ)と、中部支社の向井哲也(むかいてつや)がどかどかって向かい側に座り、私たちは話を中断させた。

「あれ美弥子、何やのウーロン茶なんて飲んで!」
「恵美が参加するの、久しぶりだよね」
「うーん、こっちもいろいろあってん」
「えー何よ、何があったの?」
「まぁそれはおいおい……とりあえず、はい、カンパーイっ!」

カチンと音が鳴るなり、向井と恵美は先を争うように一気飲み。
新人時代も、飲み会のたびに競い合ってたっけ。

こういうところ変ってないなって、ちらっと美弥子と笑いあう。

「ぷっはぁ! うめっ! 中村……じゃねえや、坂田、だ。いい加減慣れろって感じだよなぁ。ええと、娘いくつだっけ。まだ小学校じゃないよな?」

「うん、年中さん」

「幼稚園、すんなり決まったか? うち、来年からなんだけど、なかなかここってところが見つからなくてさ」

「名古屋も大変なんだ?」

「大変大変。あるところにはあるんだけど、うちちょっと郊外だし。近所でってなると……」

「そうだよねぇ、送り迎えの距離考えると、やっぱり近くで探したいもんね」


幼稚園談義に夢中になる2人のそばで、はぁああって大げさなため息。

「独りモンにはついていけん会話やな。ま、毎度のことやけど。こっちはこっちで勝手に飲も」
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