カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「坂田だろ」
向井の冷静な突っ込みに、「いや、ちゃうって!」ともどかしそうに声を上げる。

「坂田ってあんな奴ちゃうやん! めっちゃチャラくて! とっかえひっかえ別の女侍らせてっ! 飲み会やったら、2次会3次会午前様、なんて当たり前でっ」


あぁ……って、私も含め、みんな一様に頷いた。

「恵美、最近この会出てなかったから知らないのね。清香ちゃん生まれてから、ずっとあんな感じよ」
私が言えば、向井も笑い交じりに頷く。

「昔はさぁ、営業は飲ませてからが勝負だ、とかなんとか言って。クライアント連れてクラブをはしごしてたこともあったんだよなぁ。そんな奴が、今や同期一のイクメンとはね」

「変われば変わるってやつなん? ひょええ〜……」

大げさにのけぞる恵美を、みんなと一緒に笑いながら。

心の奥底、湧き上がるほろ苦い思いをこっそり飲み込んだ。


結婚してから変わる。
そういう話を聞かないわけじゃないけど……彼は、無理だろうな。
ライアンは……

ダメだ。
これ以上、欲張っちゃダメ。


私はそっと、目を伏せた。

< 386 / 554 >

この作品をシェア

pagetop