カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「じゃあ、1次会はこれで終わり! 2次会行く人は、店出たとこでもう一度集合なー!」
幹事の言葉に押されながら座敷を出たところで、恵美が追いついてきた。
「飛鳥も次、行くやろ?」
「うーん……私は、もう帰ろうかな」
「えぇっ別にええやんか、もっと話そ。彼氏の話も聞かなあかんしな!」
いや、それが一番ネックなんだけど……。
恵美にガシッと腕をつかまれたまま、密かに呻く。
「あぁあ、ついに飛鳥も人妻っ! ますます肩身狭くなるわー」
「や、まだ結婚とかそんな……付き合い始めたばっかりだし」
すると、恵美はピタリと足を止めて、「あかーんっ!」って意外なほど眦を尖らせた。
「んなのんびりしとったらあかんて。うちら、もう付き合うイコール結婚、て年やんか。出産のこともあるし、早め早めで動いとかんと」
「う……ん」
「まさか相手、結婚する気ないん?」
「や、聞いたことない……」
「そこは、はよ確かめとかんと! ずるずる付き合ってからなんて、別れられんくなるで! その気ないんやったら、さっさと次探すくらいの勢いでいかんと、今の時代結婚なんてできへん!」
うーん……彼女の中では、結婚て最優先事項なんだろうな。
昔から、子どもたくさん欲しいって言ってたし。
恵美なりに、真剣に考えてくれてることがわかるからこそ、何も言えなくなってしまう。
結婚も出産も、したくないわけじゃないけど。
彼がダメだから、じゃあ次……なんて、私には無理だ。
とは思うものの。
自分の中でもまだ曖昧模糊としてる気持ちを口にしてみたところで、彼女を納得させるのは難しそう。
結局私はへらりと笑って、その場をやり過ごした。