カボチャの馬車は、途中下車不可!?
熱帯夜をものともしない爽やかな笑みを浮かべた彼が、体を起こした。
軽やかな足取りで近づいてくるなり、ひょいっと私の顔を覗き込む。
う。
ちち近いっ!
みんな見てる、見られてるからっ!
「顔、赤いよ? 相当飲んだの?」
誰のせいだと思ってるのよっ!
無言の抗議を視線にこめる間もなく、バックが奪われていく。
「やっぱり迎えに来てよかった。そんなセクシーな顔で、夜道なんて歩かせられないよね」
大げさに肩をすくめたライアンは私の頬をさらりと撫で、「車、あっちだよ」と、長身を翻していく。
「っ……」
こんな場所でそういうのっ……やめてほしい……。
真っ赤に違いない顔を伏せて、私は周囲の視線から逃避した。
う。
うれしいけど、恥ずかしいっ……
今すぐ車の中にワープしたいっ。
そそくさと歩き出そうとしたところへ。
「ちょっと飛鳥っ!!」
恵美に飛びつかれて、「わわ」ってたたらを踏んだ。
「あれがあんたの彼氏っ!? めちゃくちゃいい男やん!! めっちゃ幸せやんっ! うらやましいわ〜っ!」