カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「待ってる間何か飲む? ソフトドリンク系がいいかな」
戻ってきた彼の腕をつかんで、引き留めた。
「ライアン」
「ん?」
隣に座ってもらい、用意しておいた言葉を切り出した。
「あのね……私、ここを出ようと思うの」
「出る?」
「そう。ほら、部屋の調査も終わったから。そういう約束だったでしょ。お世話になりっぱなしっていうのも心苦しいし」
みるみる曇っていく整った顔に怯みながらも、なんとか言葉を続ける。
「もっもう2週間も、何もないし。大丈夫じゃないかと思うのよね。やっぱり気のせいだったんじゃないかなと……」
「あの部屋に戻るって言うの? 僕がそんなこと、君にさせるとでも?」
「戻らないわよ。やっぱり気持ち悪いし。だから新しいところ探そうかなって」
「ホテル暮らしは嫌?」
しゅんと眉を下げて聞くから、急いで「違うの!」って否定しておく。
「そういうわけじゃなくて……逆なの。すごく快適で……快適すぎて、まずいと思うの」
「まずい?」
「そう!」と、首を縦にしてから。
「食べ物じゃないわよ? よくないって意味」
以前のことを思い出して、訂正しておく。