カボチャの馬車は、途中下車不可!?
ところが。
変化は劇的、だった。
跳ね上がる私の緊張と反比例するかのように、都築さんの腕からみるみる力が抜けていったのだ。まるで、しぼんでいく風船のように。
「お、叔父さん……」
今にも消えそうなつぶやきに、カラン……と、ナイフの落ちる音が重なった。
叔父さん、ってたしか……シェルリーズの支配人をしてるっていう?
「何をやっとるかっ!!! この、ばかもんがぁああ!!」
「ご、ごめんなさいっ!! ごめんなさい、叔父さん!!」
都築さんは私を突き飛ばすと。
そのまま頭を抱えるようにして床に伏し、咽び泣き始めた。
「許してください……叔父さん!! こんなことになるなんて思わなかったんだっ!!」
号泣する都築さんを、肩を怒らせ、憤怒の形相で見下ろしていたその人は、やがて隣にガクッと膝をついた。
そして甥の頭を床にこすりつけるように押さえながら、ライアンに向かってガバッと頭を下げた。
「すまん、本当に、申し訳ない! まさか身内がこんな恥をさらすとは……」
自分も床に頭を打ち付けんばかりにして、何度も「申し訳ない」と繰り返してる。