カボチャの馬車は、途中下車不可!?

ことさら凪いだ、抑揚のない声。

でもその底にはマグマのような激しい怒りが見え隠れしていて……気づいた支配人の顔が色を失い、再び強張っていく。


「つ、つまりそれは、そ、そのっ……」


「もう遅い、ということですよ」


喉の奥から呻きを漏らした支配人は、「ライアン君、お願いだ!」と、また土下座を始めた。

「そちらのお嬢さんには、私から幾重にもお詫びを……補償もしよう。ライアン君、この通りだ! 君の力でなんとか……君ならできるだろうっ……どうか、ライアン君、ライアンく——」



「ふざけるなっ!!!」





ほとばしる怒気に気圧されたように、


「ひぃっ!」

飛び上がった支配人は、がくがくっと床にへたりこんでうなだれた。
都築さんは、床に這ったまま、ひぃひぃと泣き続けていた。

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