カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「一緒?」
「僕といた男。飛鳥、ずっとあいつを見てただろう?」
「あぁ、吾妻さんのこと?」
こくり、とライアンが頷く。
どうって……言われても。
あなたが気になって、正直あんまり覚えてないんですけど?
「ええと……素敵な人よね」
とりあえず当たり障りなく誉めておくと。
「ほら、やっぱりね」って苦々しく吐く。
彼らしくないその口調に、思わず「はい?」って聞き返してしまった。
「大学時代あいつにさ、もう一体何度とられたことか……」
「とられた? 何を?」
「ガールフレンドだよっ」
「……はぁ」
「みんなタクミを紹介した途端、『ミステリアスで素敵♪』とか言って、夢中になるんだ。だから……嫌だった。飛鳥を紹介するの」
ふいっと拗ねたように横を向くから、吹き出してしまう。
「何よそれ。それってまるで……」
言いかけて……笑いごと、ぐっと言葉を飲み込んだ。
まるで……?
私は一体何を、期待してるの……——