カボチャの馬車は、途中下車不可!?

かかカン違い、しちゃダメよね?
彼は、うん、ほら、一人に縛られるなんて、そんなこと、嫌いそうだし。
伊藤くんも言ってたじゃない。彼の女好きは有名って。
だからきっと、こういうセリフもいくらだって……


それでも。
それでも。

期待に胸を震わせてしまう浅ましい自分がいて、どうしたらいいのかわからなくなってしまう。

心臓が、もう、破れそう……。
触れ合った手から、絡まり合った眼差しから、
伝わる熱で、全身が、溶けてしまいそうだ。


ついに我慢できなくなって、手を振りほどき。
ガバッと立ち上がってしまった。
そしてそのまま、逃げ出すこともできずに立ち尽くしていると。


「飛鳥? ちゃんと僕の気持ち、伝わってる?」

ライアンの声が、追いかけてくる。

いつもの軽やかな朗らかな口調じゃなくて。
焦れたような、どこか不安そうな。
まるで本気……みたいな。


どうしよう。
どうしよう。

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