新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
 

「あ、あの、私……」

「あー、それじゃあ改めて紹介するな。彼らがこれから花宮さんと一緒に働く企画課のメンバーです」


けれど、一気に緊張した私を気遣ってくれたのだろう。

根岸さんが一歩前に出て、私達の間に割って入ってくれた。


「まず、この一番背が高いのが那須だ。年は俺と同じ三十で、俺がいないときはチームをまとめてくれるサブリーダー的存在だから」

「はじめまして、ナスです。よろしく」


根岸さんの紹介を受けたナスさんは、そっと大きな手を差し出した。

慌ててその手をギュッと掴めば、ニッコリと穏やかな笑みを返される。

ナスさんは、身長は190センチはありそうな高長身で、ヒョロリとした体型の、髪を後ろで結わえている男の人だった。

この中では一番無口そうだけれど、とても優しそうにも見える。


「で、次が兜(かぶと)。ここではカブって呼ばれてる。年は……ああ、確か花宮さんと同じ二十六かな。見た目も中身もチャラついてるけど、意外とアイデア力がある奴なんだ」

「はじめましてー! 花宮だから、ハナちゃんだね! これから、どうぞよろしく、ハナちゃん!」


挨拶と一緒にギュッと手を掴まれて、ブンブンと上下に振られた。

慌てて「よろしくお願いします……!」と返事をすれば、やっぱり人懐っこい笑みを返させれる。

兜さん……カブさんは、男の人だけれど中性的な顔立ちをした、甘いマスクの持ち主だ。

ハイテンションに着いていくのは少し大変そうだけど、自分と同い年の人がいるというのは、なんだかとても心強い。

 
< 117 / 273 >

この作品をシェア

pagetop