新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「当然だろう。俺が、結婚という最終手段を使ってまで手に入れたいと思った相手だ」
言葉はどこか乱暴なのに、心が幸せに満たされるのは……。
彼が、どこまでも優しい人だと今の私が知っているから。
「でも……お仕置きだな」
「え?」
「また、役に立つとか立たないとか、くだらない話をしたから」
けれど、突然イジワルな口調になった湊は言いながら私の腰を引き寄せた。
慌てて彼の胸に手を当てて距離を取ろうと試みたけれど、そんなことを許してもらえるはずもない。
「それと、もうひとつ」
「え?」
「根岸の奴……気安く触りすぎだ」
一瞬、なんのことかわからなかった。
思わず目を丸くした私を見て、湊がトン、と肩に指を置く。
「あ……」
『社長との話が終わったら、企画課に戻ってくるように』
それでようやく、湊がつい先程の出来事を言っているのだと気がついた。
でもあれは、上司が部下を労う仕草で……そんな、特別な意味なんて一つもないのに。