新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「……できれば、お食事の前に、今回のお話の詳細を聞かせていただければ嬉しいです」
震える息を精一杯隠して、真っ直ぐに如月さんを見据えた。
そもそも残念ながら、お酒に弱い私は飲んだあとで仕事の話はできそうもない。
何より今、彼を前にして、優雅にディナーを味わえるほど鋼の心臓も持ち合わせていなかった。
「今のままだと緊張で、せっかくのお食事の味もわからなくなりそうですし……。やはり先に、要件を聞かせていただきたいです」
「……なるほど。わかりました。それでは早速、今回の提案のお話を、させてください」
長い睫毛を一瞬だけ伏せた如月さんは、言葉と同時に瞳から甘さを消した。
そして正面に座す私を静かに見据える。
その瞬間、自分の指先がピリ、と痺れたのがわかった。
窓の外に輝く夜景。
けれどそれ以上に、私を見る如月さんの目は美しく、力強い光を宿している。