新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「どうでしょう。花宮さんにとっても、決して悪い話ではないと思うのですが」
「え……?」
「失礼ながら、今日、こうしてお会いするにあたって、花宮さんについても事前に少し調べさせていただきました。花宮 桜さん。花宮さんは、弊社同様……With Weddingの系列企業にお勤めですよね?」
ニッコリと、少しも悪びれる様子もなく言った彼を前に、今度はゴクリと喉が鳴った。
一体どうやって調べたの……と恐ろしくなったけれど、ふと冷静になれば調べる方法なんていくらでもある気もする。
彼が先ほど購入したと言ったCOSMOSの商品が手元に届いた際に記載されていたであろう私の氏名と住所、電話番号。
大元の会社で管理している従業員の個人情報と照合すれば、同一人物であると簡単にわかるだろう。
そんなことすら、できてしまう時代なのだ。
けれどもちろん、普通の人なら、そんなことはできないし、やらないとも思う。
でも、彼なら──。
【Luna】のトップであり、親会社である【With Wedding】現代表取締役社長のご子息である彼なら、難なくできてしまうに違いない。