新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
 

──私にとってのアクセサリーは……ジュエリーは、その程度のもの。

彼の言うとおり、そう思われても仕方がない言い方をしたのは自分だ。

でも、事情を知らない第三者に改めて言葉にされて責められると悔しくて、苦しくて、たまらなかった。

……だって、本当は、ただの趣味の延長線上なんかじゃない。

必死に繋ぎ止めている、夢の端なのだ。

自分の欲求を満たすために作品を作っているわけでもない。

いつだって、作品の向こうにあるお客さんの笑顔を想像しながら作っていた。

これを手に取ってくれた人は、どんな気持ちになるだろう。

相手に笑顔になってほしい。

大好きなアクセサリーをつけて出掛けるその人の一日が、素敵なものになりますように……。

そう思い、願いながら、ひとつひとつ大切に作ってきた。

それなのに私は今、それを自分で否定したのだ。

だからこそ今、悔しいと思ったり、如月さんを批難するのは間違っていることもわかっていた。

全部、頭ではわかっているのに……理解しているのに、馬鹿な私は、涙を堪えるだけで精一杯だ。

 
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