新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「……すみません、少し言葉が過ぎました」
沈黙を破ったのは如月さんだった。
促されるように伏せていた顔を上げれば、如月さんの困ったような目と目が合う。
「君が、心にもないことを言うから、つい言葉がキツくなった」
「え……」
「さっきも言ったけど、君の作った作品を見ればわかる。君が、どれだけひとつひとつの作品を大切にしているか……愛しているかわかるからこそ、それを自分で否定する君を前に、黙っていられなくなったんだ」
そう言って、そっと睫毛を伏せた如月さんを前に、心臓が小さく脈を打った。
ネックレスについた桜のチャームを握っていた手からは自然と力が抜けて、息が止まる。
「君は先ほど、"今以上の何かを望んでいない"と言ったけど、俺はもっと君には幸せを望んでほしい」
「……っ」
「本当なら、今すぐ俺が幸せにしたいんだ。毎日毎日飽きるほど、君が幸せだと思える日々を与えたい」
言いながら如月さんは真っ直ぐに、私を見つめた。
私はそんな彼から、目を逸らすことができない。