新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「──花宮さん、もう一度、今度は君の本当の気持ちを聞かせてほしい」
ひと呼吸置き、後押しをするように尋ねられ、今度こそゴクリと喉が鳴った。
私の……本当の気持ち?
そんなの、口にしていいわけがない。
今日、初めて会った赤の他人である彼を前に口にするべきことではない。
私の抱えている事情なんて、彼には関係のない話だ。
聞かせても、良い気分になるものではないだろう。
わかっている。わかっているのに──。
「俺は、もっと君を知りたいんだ」
彼を前にしたら、今日まで押し込めてきた想いが、喉の奥まで溢れだした。