新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
 

再び睫毛を伏せると、私はそっと頭を下げた。

膝の上で握り締めた拳は、小さく震えている。

けれどこれが、今の私と彼にとっての最善だ。

宝物のような時間と言葉をくれた如月さん。

天の上にいるはずの人が、ちっぽけな私に目を向けてくれたことだけで奇跡だった。


「……なるほど、君の気持ちと事情はわかった」


数秒の沈黙のあと、今度は如月さんが小さく息を吐いた。

穏やかな彼の声に下げていた頭を上げると、彼の真っ直ぐな目と目が合う。


「つまり今の話をまとめると、仕事との兼ね合いを保ちながら、君のお祖母様と、君が近くにいられたら問題ないと言うことだ」

「え……?」

「んー……でも、うちのデザイン部はフレックス制だし、今の君の現状を考えると多少でも負担になるか……」

「あ、あの……?」

 
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