新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
 

思いもよらない言葉に顔を上げると、真っ直ぐに私を見る如月さんの、綺麗な瞳と目が合った。

淡い光が映り込み、彼の瞳も宝石のように輝いている。


「俺は、ジュエリーを愛する桜が好きだ。だけど、そんな桜を独占するのは、俺だけでいい」

「……っ」

「桜には、いつでも俺だけを見ていてほしい。俺のことだけ考えて、俺に振り回されていたらいいのに……なんて思うのは、上司としては失格だな」


穏やかに微笑む如月さんの笑顔と対象的に、渡された言葉は熱情的かつ蠱惑的だった。

静かに伸びてきた綺麗な指が、頬に流れていた私の髪を耳にかける。

不意に触れた指先に身体が跳ねて、思わず身を固くした。


「だけど俺は、もうずっと前から、君のことが欲しかった」

「あ……っ」

「欲しくて堪らなくて……桜を見つけた瞬間、胸が喜びで震えて、堪えきれなかった」


如月さんの綺麗な手が、私の左手を持ち上げる。

そっと口づけられた手の甲の感触に声を上げたら、恥ずかしさで血液が沸騰したように身体が熱を持った。


「桜、愛してる。一生幸せにすると誓う。だから俺と、結婚しよう」

「……っ!」


けれどそう言って、突然私の前にかしづいた如月さんは、ポケットから紺色の箱を取り出した。

 
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