新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
 

「桜……」

「……みな、と?」


それでも精一杯の勇気を振り絞り、彼の名前を口にした。

すると、一瞬だけ目を見開いた彼の私を抱く手に力がこもったのがわかり、緩やかに緊張がほどけていく。


「みなと……。湊……って、宝石みたいに綺麗な名前ですね……」


言いながら、そっと彼の頬に手を添えると、何故だか自然と笑みが零れた。

如月 湊。

彼に初めて会ったとき、渡された名刺を見て、彼のためにあるような美しい名前だと思ったことを思い出す。


「これから、あなたのことを名前で呼べると思うと嬉しいです。私を選んでくれて、本当にありがとうございます……」


自然と唇から溢れた言葉に嘘はない。

彼の胸に頬をつけると、優しい鼓動が耳に届いて、再び笑みが零れてしまう。


「……本当に、桜はズルいな」

「え……?」

「そんなことを言われたら……俺はもう一生、桜を手放せそうにない」

「……っ、あ」

「まぁ最初から、手放すつもりは微塵もないけど」

「や……っ、ダメ……ッ」


色っぽい息を吐いた彼の手は、いつの間にか私の太ももに伸ばされていた。

そのまま性急に、スカートの裾を捲し上げられて、再び身体に力が入る。

 
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