新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「でも桜ちゃん、それなら尚更──!」
「だからねっ、もう、この話はおしまい! 明日は仕事も休みだし、色々家の用事を片付けてからここに来るね」
「桜ちゃん……」
捲し立てるように話をたたむと、私は両手をパン、と合わせた。
足元に置いた荷物を持ち直して、再びおばあちゃんに向き直る。
チラリと腕時計で時刻を確認すれば、ちょうど十八時を過ぎた頃だった。
「ごめんね、おばあちゃん。実は、このあと人と会う予定があって……だから、今日は帰るね」
「そう……なの」
「うん、忙しなくてごめんね。また明日、なるべく早めに来れるようにするから。おばあちゃんも、夜はしっかり休んでね」
言いながら、笑顔を見せた私は足早に病室をあとにした。
帰り際に見たおばあちゃんの悲しそうな顔に胸が締め付けられたけど、すべてを誤魔化すように息を吐く。